溶接とは、2つ以上の部材を溶融・一体化させる作業のことです。
熱又は圧力もしくはその両方、さらに必要であれば適当な溶加材を使用して部材を接合し、溶接・圧接・ろう接に分類されます。
古くは青銅器時代・弥生時代から溶接技術が使われており現代では建設業・自動車・産業・宇宙工学・造船などの先端技術に活用されています。
先端技術だけでなく昔から生活をささえてきた基本的な技術でもあります。

半自動溶接/CO2・MAG・MIG

<アーク溶接の一種>
溶接ワイヤとシールドガスが自動的に供給されるので被覆アーク溶接より効率的で作業性が良いのが特徴です。
周囲の空気と接触する事を防ぐため溶接部をガスのカーテンでシールドします。シールドガスの種類により「CO2ガス半自動溶接」「MAG半自動溶接」「MIG半自動溶接」に分類されます。

もっとも実績があり得意とする技術で特に厚板、厚肉溶接技術は美観・精度・強度に至るまで多方面より評価をいただいております。

TIG溶接

<アーク溶接の一種>
基本的に溶融しない高融点のタングステン棒からアークを出し、その熱で母材を溶かし、必要であれば溶加材を添加しながら接合します。
半自動溶接と同じようにシールドガスを用い、シールドガスとしてアルゴンやヘリウムなどの不活性（イナート）ガスで溶接部を保護します。溶接名としてタングステンを電極としてイナートガスでシールドする。頭文字をつなげてTIG（タングステン・イナート・ガス）。唯一溶接作業時に火花が散らない特徴があります。

半自動溶接のニーズが多い中でも、溶接作業には十分精通しています。各種プラント設備部材、食品関連の製品等で長年の納入実績があります。

被覆アーク溶接

<アーク溶接の基本>
溶接棒を用います。母材と同質材の心線を電極として、母材の間にアークを発生させます。
心線の周囲には被覆剤（フラックス）が塗布されていてシールドガスとなり溶接部を大気から保護します。風に強く、風などの影響を受けやすい屋外の現場溶接に適しています。

機械化が進み、効率的な半自動化の中、出番は少ないですがＯＩＬタンク等の密閉容器等で使用しています。

ろう接/ガス溶接

<ろう接>
接合したい材料は溶かさず、予熱を与えた接合面に母材より融点の低い金属で接合する方法。
ろう付けは融点が450度以上の硬ろうで融点が450度以下の軟ろうがはんだ付けになります。
古い技法で古代エジプト時代の装飾品からも使われています。

<ガス溶接>
アセチレンガスと酸素等の可燃性ガスを用いて、ガスの燃焼熱で溶融接合する方法。
溶接速度が遅く、アーク光が発生せず溶接部が見やすいが盛り上げ時には、TIGと同様に溶加材を左手で供給し両手を使うのでアーク溶接より熟練を要します。
発生温度が低いので薄板の接合に適しています。

この種の溶接の需要は近年減少して来ていますが、一連の作業内での使用や冶具作成時には役立ちます。マツモトの熟練溶接士がこの技術を次世代へ継承しています。

ロット対応

小ロット製品に対応いたします。

溶接現場においても機械化・NC化が進んでおりますが、ロボットでは対応できない製品が数多く有ります。その様な人の手を必要とし、ロット数がまとまった場合、マツモトではコスト・生産性を考慮し、さまざまな溶接治具を考案・製作し、正確で狂いの無い高品質な製品を製作しています。年間を通しての受注があり品質の高さに信用をいただいています。

油圧関連機械

各種金属素材から各部材を製作し、製品に仕上げます。油圧ユニットや関連機械製作においてはすべての溶接技術を駆使し、各種金属加工を経て塗装まで一貫して作業いたします。造船機械や建設機械の納入実績が数多くあります。

「溶接歪み」防止への取り組み

溶接歪みとは、溶接を行なったことによって溶接部材に生じる変形のことです。溶接熱による不均質な膨張と冷却中の収縮の結果、発生します。

この避けては通れない「歪み・変形」が生じた製品は、寸法精度や外観から不合格となる物もあるため、最小限に抑える防止工法を用いて作業いたします。
<拘束法>
拘束ジグを使用します。
<逆ひずみ法>
変形方向を予想して、その逆方向に変形しておきます。
<ピーニング法>
ハンマで溶接のパス間または、溶接後、溶接金属表面をたたきます。
<溶接順序を変える対称法-バックステップ法・飛石法>
熱を集中させない様ビードを置く順序を工夫します。

必要で有れば変形した製品をバーナーで点状または線状に加熱し水冷する事により収縮を与えて変形を取る「歪み取り」を行います。
これは熟練を要する技術で有り、マツモトでは長年に渡る経験からその技術をいかんなく発揮して加工しています。